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スクープ!伐採した樹木を違法処理の疑いが
              チップ化し、宅地造成地に埋め込む
  2002.10.10

 

 北鎌倉・六国見山の麓と中腹の長窪地区の宅地開発問題を過去、何回か北鎌倉湧水ネットワークのホームページに掲載してきた。そうしたら最近、ホームぺーにアクセスしていただいた方から、「開発業者は伐採した樹木をチップ化し、宅地造成地に埋め込んでいた。これは違法行為ではないか」とのメールが入った。
 そういえば、宅地開発現場には大量の樹木を伐採し、木材が山積みにされていたが、外に運び出したのを見たことがなかったし、木材をチップ化しているのを目撃したことがある。この時、木のすごくいい香りが周辺に漂っていた。

▽切り倒した樹木を処分のために埋め立ると違法
 そこで、鎌倉市資源対策課に確認に出向いた。その結果、下記のような丁寧な回答があった。
 回答のポイントは一つが、「切り倒した樹木を処分のために埋め立ててしまえば、廃棄物の不適切な処理ということで違法になりますが、チップ化し、堆肥や地面を覆うためのマルチング材等として利用するために埋めれば、廃棄物ではなく有価物として再利用したと認識され、違法にはならない」。宅地開発現場を見る限り「堆肥や地面を覆うためのマルチング材等として利用」しているとはとても思えない。

▽以前にはチップ化して埋め立てた
 二つ目が「市の開発指導課から、ご指摘の開発事業者に問い合わせをしたところ、以前にはチップ化して埋め立てた事実はあったが、現在は一切していないとの回答があった」。
 最大の問題は、「現在は一切していない」と回答したというが、写真あるように長窪地区ではチップが埋め立てられようとしている。写真は9月下旬に撮影したが、10月6日朝も同じような状態だった。開発指導課には、業者の報告を鵜呑みにするのではなく、現場に足を運んで事実関係の確認をお願いしたい。

▽今、企業倫理が問われている
 六国見山の宅地開発は自然、景観、文化破壊と考えて、なんとか思いとどまってほしいと念願してきたが、合法的ということでどうすることもできなかった。偽装表示、原子力発電所の事故隠しなど企業の信用を失墜するような不祥事が続いている。今、企業倫理が問われている。疑いをもたれるような行為は、慎むべきではないだろうか。
 
 この記事の正確性をきするために市の回答の要旨を掲載する。

 【鎌倉市資源対策課】からの回答要旨

 担当の神奈川県横須賀三浦行政センター環境調整課に確認したところ、次のような回答がありました。切り倒した樹木を処分のために埋め立ててしまえば、廃棄物の不適切な処理ということで違法になりますが、チップ化し、堆肥や地面を覆うためのマルチング材等として利用するために埋めるれば、廃棄物ではなく有価物として再利用したと認識され、違法にはならないそうです。
 ですから、開発業者に問い合わせた場合、開発地の緑地部分等の土地を肥沃にするために埋め立てたと言うような回答があれば、行政として指導や勧告はできなくなるそうです。
 また、市の開発指導課から、ご指摘の開発事業者に問い合わせをしたところ、以前にはチップ化して埋め立てた事実はあったが、現在は一切していないとの回答があったということで、現状で調査をし摘発することは難しいかと思われます。
 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第2条(産業廃棄物)及び第3条の3(一般廃棄物の埋立処分)の条文は次のとおりです。廃棄物として処理したということであれば、この条文の適用を受けることとなります。

 第二条 産業廃棄物
 法第二条第四項第一号の政令で定める廃棄物は、次のとおりとする。
一 紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものに限る。)

二 木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業及び輸入木材の卸売業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)

(中略)
第三条 
三 一般廃棄物の埋立処分に当たつては、第一号イ(ヌに規定する場合にあっては、
(1)を除く。)及びロの規定の例によるほか、次によること。
イ 埋立処分は、次のように行うこと。
(1) 地中にある空間を利用する処分の方法により行つてはならないこと。
(2) 周囲に囲いが設けられ、かつ、一般廃棄物の処分の場所であることの表示がされている場所で行うこと。
ロ 埋立処分の場所(以下「埋立地」という。)からの浸出液によつて公共の水域及び地下水を汚染するおそれがある場合には、そのおそれがないように必要な措置を講ずること。
ハ 埋め立てる一般廃棄物(熱しやく減量十五パーセント以下に焼却したものを除く。)の一層の厚さは、おおむね三メートル以下とし、かつ、一層ごとに、その表面を土砂でおおむね五十センチメートル覆うこと。ただし、埋立地の面積が一万平方メートル以下又は埋立容量が五万立方メートル以下の埋立処分(以下「小規模埋立処分」という。)を行う場合は、この限りでない。

 参考
http://member.nifty.ne.jp/Kitakama/2/2.html
http://member.nifty.ne.jp/Kitakama/2/0261/1.html

六国見山麓の宅地開発現場に山積みされた伐採樹木 最近の六国見山麓の宅地開発現場
重機とその前のチップ化された樹木(長窪地区、2002年9月末) 長窪地区の宅地開発現場に山積みされた伐採樹木



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