北鎌倉・六国見山が育んだ湧水を活用した「湧水公園」が 7月21日、ついに鎌 倉市・岩瀬地区にオープンした。自噴井戸とひょうたん池を備えた「湧水公園」づく
りは、地域のバックアップを受けた鎌倉市の市民団体「鎌倉市民同窓会」(藤井経三 郎代表)が、取り組んできたもので、「鎌倉市民同窓会」は同日、関係者約80人を集
めて、「湧水公園」のオープンに向けたセレモニーを開催した。夏冷たく、冬温かな 人間に優しい水は、保健所から既に「飲料に適する」との御墨付きをもらった。湧水
公園への出入りは自由。参加者はセレモニーの合間に、湧き出る水を手ですくっての み干したが、一様に「冷たくて美味しい」とにっこり。この公園が今後、市民生活に
潤いを与えるのは確実で、同時に湧水を使った街づくりへの期待も高まっている。
▽地域と共に大きく育って…
セレモニーで藤井代表は「人間の体は67%が水分。あらゆる生物もほとんどが水で できている。ビオトープ(生物生息空間)を目指しているが、これを先取りする形で
水生動物が既に、池で泳いでいる。生物は本能で、水のありかをかぎつける。前日、 子どもたちは、オープンを待ちきれず、池でどろんこ遊びをした。水は人をもまた呼
び寄せ、引きつける。井戸は伝統の上総掘りで掘ったが、人力のみで、これだけのこ とができたことに感動している。上総掘りは江戸時代に誕生し、工夫を重ね明治時代
に完成した。江戸の業が、自然の力を借りて、今の時代に生きた。21世紀は循環型社 会がキーワード。ここに手本ができた。この公園はまだ生まれたての赤ちゃんだが、
多くの市民に活用してもらって、地域と共に大きく育ってほしい」とあいさつした。
▽地ビールの売上を公園整備に寄付
この日は上総掘りのメッカで、湧水を使った街おこしを推進している千葉県久留里 市からも、市民二人が姿を見せ「多数のボランティアに支えられて、おいしい善意の
水がわき出たことに勇気づけられた」とあいさつした。二人は久留里市の湧水を仕込 んだ日本酒をお土産に持参した。この日本酒は湧水公園のすぐ近くの梅沢さんのお宅
の井戸水を使用している地ビール・「北鎌倉の恵み」とともに出席者の間で試飲され た。「鎌倉市民同窓会」は、自噴井戸を掘るに当たって、久留里市を訪問し、さまざ
まなアドバイスを得た。
セレモニーに先立ち、「北鎌倉の恵み」の製造、販売を担当している日本地ビール 事業研究所の栗田守弘代表と横浜ビールの栗田潤一社長は、「北鎌倉の恵み」の売上
(2001年10月から2002年3月)の5%にあたる約13万円を鎌倉市民同窓会に寄付した 。寄付金は湧水公園の整備に使われる。この地ビールの売上に関する寄付は、これで
3回目になる(詳細はこれまでの寄付実績参照)。栗田代表には、この後、藤井代表 から感謝状が手渡された。
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