「第3回パートナーシップ大賞」の最終審査会が6月18日、名古屋国際会議場・レセプションホールで開催され、大賞にノミネートされていたNPOの北鎌倉湧水ネットワークと横浜ビール株式会社のジョイントベンチャー「六国見山湧水仕込み地ビール『北鎌倉の恵み』プロジェクト」が、大賞は逸したものの入賞し、記念盾と賞状、副賞として10万円を獲得した。
▽知恵と工夫、熱意があれば評価される
楽しそうに活動していることや、地域密着、手作り感覚、他の地域への発展性などが期待できることなどが、高く評価された。副賞については、今後の北鎌倉湧水ネットワークの活動資金(形が残る北鎌倉を紹介する個性的なガイドブックの作成など)に使用する方針である。
今回、大賞にノミネートされた6つの協働事業は、「『北鎌倉の恵み』プロジェクト」を除き、市民団体がNPO法人で、パートナーのほとんどが大企業。これに対し、鎌倉湧水ネットワークは、コアメンバーが5人の任意団体。パートナーの横浜ビールも、年間売上高が約一億円の小さな企業。「『北鎌倉の恵み』プロジェクト」の入賞は、小さな組織と小さな企業であっても、知恵と工夫、熱意があれば評価の対象になりうることを実証した。
▽大賞は「ビーチクリーン作戦&子ガメ放流会」事業へ
パートナーシップ大賞(記念盾および副賞としてNPOに30万円贈呈)は、NPO法人パートナーシップ・サポートセンター(PSC、岸田眞代・代表理事)が、NPOの育成を目的に制定したもので、「NPOと企業の協働で実施され、社会にインパクトを与えた特色ある事業」に贈られる。
今回はPSCとさわやか福祉財団(堀田力理事長)の共催となり、全国各地から30の協働事業が応募した。3月27日に第1次審査、それを受けての現地調査を経て、5月29日に第2次審査が行なわれた。その結果、「『北鎌倉の恵み』プロジェクト」などがパートナーシップ大賞にノミネートされた。
大賞を受賞したのは、NPO法人サンクチュアリエヌピーオーとヤマハ発動機株式会社の協働事業「ビーチクリーン作戦&子ガメ放流会」。文化財である遠州灘のアカウミガメの保護・調査活動を長年続けてきたNPOの地道な取り組みと、企業の着実かつ組織的な社会参画がうまくかみ合っている点が評価された。
『北鎌倉の恵み』プロジェクト」以外の入賞事例は下記の通り。
▽ 「くるくるエコプロジェクト」◇NPO地域づくり工房◆株式会社ネクストエナジー&リソース ▽「ホームレス支援「自立生活サポートセンター」◇NPO法人北九州ホームレス支援機構◆北九州におけるホームレス問題を解決するための市民協議会 ▽「NEC田んぼ作りプロジェクトwithアサザ基金」◇NPO法人アサザ基金◆日本電気株式会社 ▽「生活者の声を反映した共創型商品開発事業」◇NPO法人ユニバーサルデザイン生活者ネットワーク◆トステム株式会社
▽プレゼン大賞といっていいかも
プレゼンそのものに関しては、跡田直澄審査委員長(慶応大学商学部教授)から「機材に頼りすぎる中で、『北鎌倉の恵み』プロジェクトのような手作り感のあるものがいい。一番好感が持てた」
と評価してもらった。また、この日の司会役の東海大学文学部広報メディア学科の河井孝仁助教授は「実は大学の授業でも 地域ブランドの新しい展開ということ『北鎌倉の恵み』プロジェクトをとりあげさせてもらった」と教えてくれた。「プレゼン大賞」といっていいかもしれない。
地ビール「北鎌倉の恵み」は、売上の一部をナショナル・トラスト運動や街づくり運動に取り組んでいる市民団体に寄付するという目的を掲げ、2000年12月に誕生した。横浜ビールが製造、販売を受け持ち、北鎌倉湧水ネットワークが企画を中心に、ボランティアで、さまざまな協力をしたが、「入賞」という第三者の客観的な評価を得たことは、今後の活動の大きな励みとなった。
▽まちづくり支援地ビールが銀賞受賞
http://www.janjan.jp/area/0308/0308185797/1.php
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