特定非営利活動法人・北鎌倉の景観を後世に伝える基金(略称・北鎌倉台峯トラスト)は、5月8日、台峯緑地の全面保全決定を受け、北鎌倉の山ノ内公会堂で総会を開き、組織の存続問題などを討議した。その結果、組織は解散せずに、今後は台峯の「里山的実質保全」を実現するための活動に主軸を移すことを条件に、現行の組織の存続を決定した。
▽「一定の成果が得られた」としてなだ理事長辞任
活動目的を担保するために、現行の定款第5条(1)の事業目的「北鎌倉台峯緑地を取得または借用し、これを保全管理する事業」とあるのを「北鎌倉台峯緑地及び『里山的実質保全』に必要な台峯の周辺緑地の取得または借用し、これを保全管理する事業」に変更した。
焦点となっていた「緑地保全積立金」(12,000,000円)と「鎌倉みどり債」(1,000,000円)の扱いについては、会員の意見を参考に総会で決定することを決めた。総会の席上、 なだ いなだ理事長が「活動の一定の成果が得られた」として、理事長及び理事を辞任する意向を表明し、総会も了承、顧問就任が決まった。また、新しい理事として吉野功氏、久保廣晃氏、市川節子氏の3名を選任した。
▽野口含め4理事退任し、正会員に
総会後の理事会では、新理事長に吉野功氏を選任し、楢原一郎氏、斎藤博子氏、榎本晶夫氏、野口稔氏の理事退任を決定した。理事を退任した斎藤博子氏、榎本晶夫氏、野口稔氏は、「会員の意見を参考に総会で決定する」ことになった「緑地保全積立金」と「鎌倉みどり債」の行方を見守るため、引き続き正会員として、北鎌倉台峯トラストにとどまる。
【新体制】
理事長 吉野功(公認会計士)
副理事長 石黒ひで(慶応義塾大学文学部客員教授)
理事 森泉定男、和泉あき、望月眞樹、望月晶夫、小田原茂夫、新槙幸子、久保廣晃氏、市川節子
【組織存続問題と緑地保全積立金の扱いに関する経緯】
□2005年3月定例理事会
・日 時 2005年3月6日(日)午前10時〜11時40分
なだ理事長のメールによる「組織がどうなるかはみなさんに任せます。どうなるにせよ、これを一区切りとして理事長はおろさせてもらいます。個人的な意見として一応、解散が一番すっきりするのではないかと思います。歩く会のようなものは、続けていく場合は新組織とするのがよいのではと考えます」との意見表明受け、出席者全員が意見表明し、「NPO法人としての『基金』は解散する。しかし「山歩き」と「台峯の里山的保全」のため、新しい組織が必要である。積立金およびみどり債は市に寄付する」との認識で一致。
□2005年4月定例理事会
・日 時 2005年4月3日(日)午前10時〜正午
「行政当局は台峯を中央公園の拡大地域として位置づけている。峯緑地の取得が事実上、出来ぬからといって会を解散する必要はないのではないか。台峯の里山的保全については積極的な提案を願いたい。子供たちが来られるよう駐車場を設けることも考えられる。寄付は先行取得のめどがはっきりする10月以降にしてほしい」との、広町台峯担当部長との面談結果報告受け、「少人数の理事会および総会で解散や継続を決めるのではなくNPO法人組織をどうするか、「基金の名称」はどうするか、については会員の意見を聞く必要がある」として会員へのアンケートを実施することを決定。
□総会に向けた2005年「第48回」理事会
・日 時 2005年4月24日(日)午前9時半〜正午
○「NPO法人の今後について」アンケート結果
発送枚数 413件 回収枚数253件
@ (NPO法人は解散し、積立金は鎌倉市に寄付) 51件(20.1%)
A (NPO法人は存続し、積立金は鎌倉市に寄付) 56件(22.1%)
B(NPO法人は存続し、事業内容を変更する、積立金は事業目的のため使用する)
137件(54.1%)
Cその他9件(ただし4月24日以降の到着分および判読不備分を整理)
上記結果を踏まえ「NPO法人の今後については、アンケート結果から多くの会がBを希望していることが明らかとなった。理事会としてはそれらの意見を尊重し第5条
の事業目的を変更した上で法人を存続させることを決定した。尚、積立金の処理については今後の案件とする。
*5月8日の総会では、B(NPO法人は存続し、事業内容を変更する、積立金は事業目的のため使用する) という設問の方法が問題視された。存続、事業内容の変更、積立金の扱いを同時に質問しているのに、選択肢が一つしかないからだ。その結果、A(NPO法人は存続し、積立金は鎌倉市に寄付)の意見を持った会員の意向がまったく反映されない結果となった。
【台峯緑地保全問題への協力者への個人的お礼メール】(02・2・12)
ご協力ありがとうございました
野口です。2月6日の「北鎌倉の景観を後世に伝える基金」の定例理事会と、その後の臨時総会(議題 小林京子理事の死去に伴う事務所の移転)に出席しました。臨時総会後に時間があったので、台峯の全面保全決定後の基金の在り方について、出席したなだ理事長、石黒副理事長、理事、正会員、監事の全員が、発言しました。
▽なだ理事長は理事長を辞任、緑地買い取り資金は市に寄付へ
なだ理事長は、多忙であることと、目標を達成したという理由から、(1)理事長を辞める。理事にもならない。負担の少ない顧問程度なら引き受けてもいい(2)けじめが付いたので、「北鎌倉の景観を後世に伝える基金」が保有する、緑地買い取り資金約1300万円と緑債100万円は、鎌倉市の緑基金に寄付してほしい(3)今後も行政を監視する組織は必要−と述べました。
出席者の意見の大勢も、保全という目標を達成したので、緑地買い取り資金約1300万円と、緑債100万円は鎌倉市に寄付し、緑地を買い取ることを最大の目標とした現行の組織は、赤道の手入れや市の対応を監視することを目的にした組織に変更する−でした。私も同様の意見です。
▽目標達成で野口も理事を辞任
基金の在り方についての決定は、5月に予定されている定例総会でなされます。私は保全という最大の目標が達成されたことで、自分の役割も終了したと考え、今期限り(5月定例総会出席が最後)で「北鎌倉の景観を後世に伝える基金」の理事を辞めます。これまで、ご協力ありがとうございました。深く御礼申し上げます。
北鎌倉の自然と景観と街が好きです。今後も「北鎌倉湧水ネットワーク」と「北鎌倉まちづくり協議会」の活動は続けます。故郷の活性化のお手伝いもするつもりです。サラリーマン人生も、残すところ3年になりました。幸いなことに課題が与えられています。課題解決に全力で取り組み、サラリーマン人生を全うしたいと思っています。これからもよろしくお願い致します。
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【小宮万理子さんからの返信】
野口様
こちらこそご無沙汰しています。
台峯保全決定!は本当によかったですね。小林さんのことは本当に悲しいことでしたが・・・
野口さんの台峯保全ニュースをプリントアウトして病室に届けましたが、その時は眠っていらしてお話しできませんでした。そのあと置いていったコピーを、娘さんが小林さんの意識のある時に読んで下さった、という話を聞きましたので、半信半疑でも保全のニュースを耳にされて亡くなったことは、せめてものお慰めになったかと思っています。お棺に台峯の写真を入れられなかったのは残念でしたが。台峯も広町と同様、これからも色々あるでしょうがとに角よかったです!
「団塊セミナー」面白そうですね。
男性達には介護のことも一緒に考えてほしいです。私は母の介護を通して”老いとは自分に裏切られることと見つけたり”という心境です。子供を育てるということは同時に親が死に向かって歩いてゆき、子供に居場所を譲って消えていく、ということです。これは悲観論でも何でもなくて、50年後には団塊世代も皆死んでいるんですからね。元気なうちに備えておかなければ、年とって”こんなはずでは!”と思っても間に合わず、配偶者と子供に迷惑をかけるだけ。
楽しいことと同時に老後の厳しいシュミレーションも必要です。団塊世代が結束して政治に圧力をかけるとか・・・昨年10月に京都で行われた「世界アルツハイマー国際会議」に参加しましたが(一緒に言った会の仲間の八木光恵さんという人は(実母が軽い痴呆)17年前ご主人が過労死し、それを朝日新聞に投稿したのがきっかけで全国組織の家族会が結成され「過労死」のパイオニア?と言われている人です。労災認定を求めて8年の裁判の末勝ち取りました。
編集者だった彼女は関連の本を3冊出版しています。)、ヨーロッパの福祉先進国はどこ
でも高齢者の圧力団体があります。日本の団塊世代も自分の老後のために、黙っていちゃいかん!なださんの「老人党」と日野原重明さんの「新老人の会」と樋口恵子さんの「高齢社会を考える女性の会」を3つ一緒にするとか・・・?
そんなわけで「痴呆高齢者を支える家族の会」の活動のほかにも、湘南の「医療と福祉を考える会」などにも参加していますが、そこの関連で2月27日に「どうする鎌倉の医療」というフォーラムが開かれます。
チラシをFAXしますので、お忙しいでしょうが、もしお時間があったら是非ご参加下さい。
医療ジャーナリストの和田さんは最近時々TVで顔を見ますが、御所が丘在住で広町問題にも関わっていたことがある古い知り合いです。湘南記念病院副院長の井上先生は患者によい医療の情報公開を、とご自分でHPを作られましたが、謙虚で患者に親身な素晴らしい先生です。
下記のアドレスを是非チェックしてみてください。この先生も団塊世代です。
http://syonan99.net/
お知らせまで。 小宮万理子
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