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大京に地下水脈の調査実施を指示−鎌倉市、結果を基に対策も−

 北鎌倉湧水ネットワークは、昨年12月22日、石渡徳一鎌倉市長に「旧小泉邸跡地マンション建設問題に関する要望」を提出したが1月12日、同市長名で、回答が寄せられた。

鎌倉街道沿いは4階建てに―大京、北鎌倉マンション問題決着―
http://www.kitakama-yusui.net/tokusyu/16.html

▽15メートル、地上4階を強く行政指導
 回答によると鎌倉市は、山田建設の修正案(高さ15メートル以下、地下1階地上4階の計画)が、地元の大方の合意を得られたとの認識から、大京には、修正案踏襲した計画になるように強く行政指導していたことを明らかにした。

 また、鎌倉市は大京に対し、地盤や地下水脈についての調査及びその結果を基にした対策の実施を指示していること、さらに今後も継続して指導、指示を行っていくことを約束している。

【石渡徳一鎌倉市長からの回答】
野口様からお寄せいただきましたご要望につきまして、次のとおりお答えいたします。
 鎌倉市開発事業等における手続及び基準等に関する条例に基づく説明会は、この条例で定めております近隣住民、周辺住民及び関係住民など地元住民の方々に対して、事業者が事業計画の内容について説明する場であるとともに、事業者が地元住民の方々からのご意見やご要望等を聞き、計画上の配慮として出来得るもの、出来得ないものを判断し、計画に反映していくための話し合いの場でもあります。
 市では、事業者に対してもそのように指導しておりますし、今後も引き続き指導してまいりたいと考えております。
 当該地においては、平成15年に山田建設鰍ェ開発事業(共同住宅の建設)計画を立ち上げ、条例手続に従って説明会が開催されております。この説明会で高さ及び階層については「当初計画の地上5階建て高さ15メートルを地下1階地上4階の計画」として地元の方々の大方の合意を得られたと認識しております。また、その際にいただいたその他の地元のご意見を踏襲した計画になるように現在の事業者である椛蜍桙ノ強く行政指導をしてまいりました。現在の計画案は行政指導を行った結果の新たな計画案として事業者から提示されたものです。
 この間、事業者による条例上の説明会は都合4回にわたって開催されましたが、更に昨年12月25日に条例上の説明会が追加開催され、直接影響を受ける地元住民の方々を始めとする住民の方々からの一定の理解、合意を得られたため、条例上の説明会を終結したとの報告を事業者から受けております。
 また、湧水(地下水)の対策につきましては、現在のところ事前の家屋調査を実施し、今後は地下水脈の調査を実施する旨、事業者から口頭での報告を受けております。
 市としましては、事業者に対して地盤調査や地下水脈の調査を実施するよう、また、その結果を基に工事方法等を十分に検討し、対策を施すよう指示しており、今後も継続して指導、指示を行ってまいりますので、ご理解のほどよろしくお願い申しあげます。

     平成 17 年 1 月 12 日

             鎌 倉 市 長   石 渡 徳 一


石渡徳一鎌倉市長殿
◎旧小泉邸跡地マンション建設問題に関する要望
 2004年12月22日
 北鎌倉湧水ネットワーク代表・野口 稔

 北鎌倉湧水ネットワークの野口です。御無沙汰しております。大京の旧小泉邸跡地マンション建設問題で下記の4項目の要望を致します。御配慮のほど、よろしく御願い致します。なお、この要望と石渡市長よりいただいた回答は、北鎌倉湧水ネットワークのHPに掲載致します。

(1)事業者である大京に対し、住民と円満な話し合いをするよう指導してください。
【理由】 北鎌倉・旧小泉邸跡地のマンション建設問題で、山田建設からすべての権利を譲り受けたマンション専業首位の大京は、12月12日夜、山ノ内公会堂で、近隣住民への説明会の席上、「形状・規模に関する住民説明会は今回が最後」と住民説明会の打ち切りを宣言、見切り発車で、5階建てマンションの建設を強行する方針を示しました。
住民との質議は時間にしてわずか約1時間半。この件に関しての協議はスタートラインに立ったばかりで、十分な協議が行われたとはいえません。説明会には住民約30人が出席しましたが、5階建てマンションの建設に全員反対しました。

【御参考】
速報!大京が5階建てを強行−住民の反対無視し、見切り発車−
http://www.kitakama-yusui.net/tokusyu/14.html

(2)5階建てではなく4階建て以下とするよう指導してください。
 
【理由】鎌倉街道沿いに5階建ての巨大マンションが出現することは、低層建築で統一された北鎌倉の街並み景観との調和を著しく欠くと同時に、道行く人々に圧迫感を与えます。

(3)企業モラルを遵守するよう注意喚起してください。

【理由】旧小泉邸跡地のマンション建設問題は、今年3月、山田建設が近隣住民に提示した「実質15メートル以下、4階建て」を柱とした修正案で決着が予想されていました。権利を譲り受けた大京もこの修正案を最大限尊重するとしていたからです。大京の今回の見切り発車は、明らかに信義違反です。
【御参考】
大京が16メートル、5階建て案を提示−「信義違反」と協議会は修正を要求−
http://www.kitakama-yusui.net/tokusyu/13.html

 また、大京は北鎌倉湧水ネットワークの事前了解なしに、北鎌倉の景観を破壊しながら、大京の販売促進用のパンフレットに北鎌倉の湧水を使った地ビール「北鎌倉の恵み」掲載しています。御承知のように「北鎌倉の恵み」は、北鎌倉湧水ネットワークが「北鎌倉が変わらない街並みであり続けてほしい」という思いから誕生にあたって、企画を中心に、
ボランティアで、さまざまな協力をしてきました。2002年12月18日の国立マンション訴訟判決では、被告の明和地所を「住民を敵視し、景観破壊を認識しながら景観の美しさをマンションの売り物としていたことを挙げ、『社会的使命を忘れた』と非難しています。
【御参考】
北鎌倉の恵み
http://www.kitakama-yusui.net/4/4.html
「北鎌倉の恵み」掲載で、大京に再回答を要求
http://kitakamayu.exblog.jp/pg/blog.asp?eid=c0014967&iid=5&acv=&dif=&opt=2&srl=1
41726&dte=2004%2D12%2D24+22%3A38%3A41%2E000

北鎌倉の恵み覚書
http://www.kitakama-yusui.net/4/oboe.html


(4)マンション建設予定地の湧水(地下水)へのしっかりした事前調査をするよう指導してください。

【理由】北鎌倉は湧水が豊富で、約200箇所の井戸があり、生活用水や災害時の備えとして、街の重要な「財産」となっています。マンション建設予定地の旧小泉邸には、深さがそれぞれ8、5メートル、2、2メートル、2、7メートルの三つの井戸がありました。
驚くほど水脈が浅く、いわば「水に浮いているようなもの」で、地盤が極めて不安定です。このため、周辺工事が始ってから、近隣では家屋が大きく揺れ、「船酔い状態になる時がある」(近隣住民)という声があがっています。また、近隣の住民の一人は「昔から井戸は扱いが難しい、といわれている。井戸を封鎖する場合は、息抜きや排水パイプを作るなど、慎重な対応が必要だ。しかし、旧小泉邸の三つの井戸は、息抜きや排水パイプを作らず埋められた可能性がある。この証拠に旧小泉邸周辺の道路に水が流れ出している。雨上がりの時が特にひどい。敷地内ではユンボーのキャタピラが、泥水につかって、身動き取れなくなり、ポンプで水を吸い上げていたのを目撃した」と証言しています。
「水に浮いている状態」の軟弱な地盤の上での本格工事は、近隣に人工的なさらに「大きな揺れ・u毆)」をもたらすことは必至です。何よりも心配なのは軟弱な地盤の上に建てられた巨大マンションの安全性です。もし、規模の大きな地震が襲った時、大京はマンションの住民にどこまで安全を保証できるのでしょうか。工事に伴う周辺の井戸への悪影響も懸念されます。



 

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