特   集


 鎌倉街道沿いは4階建てに−大京、北鎌倉マンション問題決着−


 北鎌倉・旧小泉邸跡地のマンション建設問題で、山田建設からすべての権利を譲り受けたマンション専業首位の大京は、年の瀬も押し詰まった昨年12月25日午後、山ノ内公会堂で近隣住民への説明会を開催した。説明会には住民約30人が出席した。この席上で大京は「鎌倉街道沿いについては、高さ15メートル以下、4階建て」とする修正案を示した。

 これに対し、この修正案には「16メートル超、5階建てのマンションが混在」しているため、北鎌倉湧水ネットワークは「将来的な北鎌倉のまちづくりを見据えた時に、どこからみても高さ15メートル以下、4階建て以下が望ましい」との意見を表明した。出席した近隣住民の多くも修正案に反対した。

 しかし、マンション建設で直接、被害を受ける近隣住民の一部と北鎌倉らしいまちづくりを目指す北鎌倉まちづくり協会が同意したため、旧小泉邸跡地のマンション建設問題は、形状と規模に関してはこの日、大京が示した修正案で、事実上、決着することになった。

▽「玉虫色の決着」だが一定の評価
 旧小泉邸がそのまま残ってほしかったというのが本音だ。「どこからみても高さ15メートル以下、4階建て以下」という要求も、残念ながら通らなかった。が、山田建設の時代をカウントすれば、旧小泉邸跡地のマンション建設問題では、事業者と住民が2年以上にわたって、協議を続けた。協議らしい協議もないまま着工というパターンが続いていた、北鎌倉におけるマンション問題では異例のケースだ。

 北鎌倉は歴史の古い街で、旧住民と新住民の利害が複雑にからみ合い、これまではまちづくりに関しては相並みが揃わなかった。しかし、旧小泉邸跡地のマンション建設問題を契機に、北鎌倉まちづくり協会主催で、まちづくり協定の制定に向けたシンポジウムも開催された。画期的なことである。今回の結論は「玉虫色の決着」となったが、一定の評価を下したいと思う。

【参考】
失われゆく北鎌倉の街並み (2002年11月)
―小泉邸と圓(まどか)荘が取り壊される!― 
http://www.kitakama-yusui.net/5/x.htm

▽「北鎌倉の恵み」掲載は1/14までに再回答
 北鎌倉の景観を破壊している大京のマンション販売促進用のパンフレットに「北鎌倉の恵み」の紹介記事が、北鎌倉湧水ネットワークの事前了解なしに掲載された。このため、北鎌倉湧水ネットワークは2004年12月12日の説明会の席上、大京に意図に反する使われ方をしたことに対し、強く抗議すると共に、掲載の経緯についての回答を求めた。

 大京から12月18日、メールで下記のような回答が来たが、納得できないので、再回答を求めた。再回答が12月25日時点で、届いていなかったので、25日の説明会の席上、あらためて再回答を要求した。その結果、大京は2005年1月14日までに文書で回答することを約束した。

【大京に再回答を要求】

中村 俊紀様

 「北鎌倉の恵み」が、事前の了解なしに北鎌倉湧水ネットワークの意図に反する使われ方をしたことに、北鎌倉湧水ネットワークは抗議しているのです。下記のHPに北鎌倉湧水ネットワークの立場をはっきり書いてありますので、お読みになってください。

速報!大京が5階建てを強行−住民の反対無視し、見切り発車−
http://www.kitakama-yusui.net/tokusyu/14.html
 
 今回いただいたメールでは、掲載の経緯の説明だけです。北鎌倉湧水ネットワークに対し、事前の了解がなかったこと、意図に反する使われ方をしたことへの大京さんの答えをいただいことにはなりません。

 再回答をお願いします。


【大京・横浜支店からの回答】

 北鎌倉湧水ネットワーク 代表 野口 稔様

 先日はお忙しい中、弊社マンション計画の説明会にご出席いただき有難うございました。
 さて、野口様よりご指摘いただきました「北鎌倉の恵み」の無断掲載の件につきまして、弊社にて確認しましたところ、本件に関しましては、横浜ビール株式会社から、取材および掲載同意書を取得しておりましたことをご報告申し上げます。

             株式会社 大京  横浜支店 事業部
             中村 俊紀


旧小泉邸の洋館以外の家屋は解体された 池があった日本庭園は見る影もない
 
あの黒塀も既に取り壊された
 

 

 

 
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