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 ◇驛(うまや)の食卓―地ビール「北鎌倉の恵み」発売3年目に―


  横浜馬車道に位置したイタリアン風手料理レストランである。1階が地ビール工場となっており、できたての地ビールのグラスを傾けながら、シェフの心のこもった料理を極めてリーズナブルな価格で楽しめる。
山下公園から「よこはまみなとみらい21」までをぶらりと歩いてから訪れてもいいし、その逆もお勧めだ。店内が広いのとバンケットルームもあるので、パーティやイベントにも使える。

「驛の食卓」
 〒231-0013 横浜市中区住吉町6-68-1
       横浜関内地所ビル2F
 電話 045-641-9901 fax 045-641-9902
 URL http://www.umaya.com/

▽安さ」と「美味しさ」を追求
 「驛の食卓」は、日本地ビール事業研究所の栗田守敏代表がオーナーで、栗田代表の御子息の横浜ビール株式会社の栗田潤一社長が実際の運営をしている。栗田社長は「安さ」と「美味しさ」という相反するテーマの両立を徹底的に追求している腕のいい料理人でもある。
 栗田社長は外見からは想像できないが、「日本の山はほとんど登った」という筋金入りの山男。「店をオープンしてから1年間は1日も休まなかった」という頑張りと、妥協を許さない料理へのこだわりは、幾多の厳しい条件の中での登山体験を重ねることによって、自然と身に付けたものなのかもしれない。

 

北鎌倉の恵み」発表会(2000年12月、「驛の食卓」バンケットルーム)
 
「北鎌倉の恵み」の比重をチェックするブルーワーの榊弘太さん(「驛の食卓」1Fビール工場)

▽異例のジョイントベンチャー
 これ以上のお店の詳しい説明は「驛の食卓」のHPに譲りたい。ここでは「驛の食卓」の1階のビール工場で製造されている地ビール「北鎌倉の恵み」について説明したい。「北鎌倉の恵み」は北鎌倉・六国見山の湧水を使用している。北鎌倉まで湧水をわざわざ汲みに来て、横浜の「驛の食卓」のビール工場まで運んでいる。
 「北鎌倉の恵み」は栗田守敏オーナーの地ビールによる「村おこし」の夢と「北鎌倉湧水ネットワーク」の湧水を使った北鎌倉の街づくりと自然環境・景観保全を図りたいとの思いが、一致することによって2000年12月に誕生した。「北鎌倉湧水ネットワーク」がボランティアで、企画や広報面の協力している。企業とボランティア団体のあまり例のないジョイントベンチャーで、発売から3年目を迎えた。

北鎌倉の恵み
http://member.nifty.ne.jp/Kitakama/4/4.html

▽覚書を交換
 「村おこし」の夢を持ち、社会貢献への意欲があるといっても企業は、利益を確保しないと存続できない。採算性を考慮しなくてもいいボランティア団体とは、この点が決定的に違う。このため、「北鎌倉の恵み」を誕生させようという思いでは一致したものの、実際に誕生するまでには、双方でかなり激しい意見のやり取りがあった。
 「北鎌倉の恵み」は難産の末に生まれた。そこで、将来つまらない双方の行き違いに起因するジョイントベンチャーの解消という事態を回避するために、日本地ビール事業研究所、横浜ビール、北鎌倉湧水ネットワークは、「北鎌倉の恵み」地ビールに関する覚書を交換した。覚書には、双方の役割などが明記されている。

「北鎌倉の恵み」地ビールに関する覚書
http://member.nifty.ne.jp/Kitakama/4/oboe.html

▽売上の一部を寄付
 「北鎌倉の恵み」の売上の一部は、街づくりやナショナル・トラスト運動に取り組んでいる市民団体や組織に寄付することになっている。2001年5月7日、日本のナショナル・トラスト第1号の「財団法人・鎌倉風致保存会」に、第1回目の寄附を実施した。その後、(社)日本ナショナル・トラスト協会、鎌倉市民同窓会(湧水公園づくり)へ寄付した。ことし6月には鎌倉市市民活動センター運営会議 (NPO支援かまくらファンド)への寄付が予定されている。
 「北鎌倉の恵み」には、企業とボランティア団体の異例のジョイントベンチャーであること以外にも特徴がある。「北鎌倉の恵み」は、単に地ビールのみにとどまっていない。既に「北鎌倉の恵み」という統一ブランドによるケーキ、お煎餅、珈琲、料理が商品化されているのだ。今後の展開次第では街づくりとか、商店街の活性化のモデルになるかもしれない。

北鎌倉の恵みシリーズ寄付実績 
http://member.nifty.ne.jp/Kitakama/4/kifu.html
(了)





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