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 ◇サロンド夜子 オアシス―「さそり座」の女性とその澄んだ瞳(超高級クラブ)◇
  気になるお店の筆頭格である。といっても料金は0が五つから始まることを覚悟しなければならないから、人気マンガの主人公、スーパーサラリーマン「特命係長 只野仁」でもないかぎり、普通のサラリーマンが、足を運べる場所ではない。20年来の友人が、2年前からこの店を手伝っているので「突撃」取材をする機会を得た。なぜ、こういう超高級クラブが、いまのようなデフレの時代にビジネスとして成立するのか、その点に大きな興味があった。場所は地下鉄大江戸線・麻布十番駅の真ん前。

住所 〒106-0045 港区麻布十番1-7-5 フェスタ麻布B2
電話 03-5411-5550
URL http://www.oasis-azabu.com

▽コンセプトは「癒しの空間」
 オーナーママは二条夜子さん。「さそり座」の星の下に生まれた。あのデビ婦人もいた日本一のナイトクラブ「赤坂 コパカパーナ」のホステスだった。勤務してわずか3カ月で、売り上げ、NO1ホステスになったという伝説の持ち主だ。「どうやったら、お客の注意を引くことができるか、一日中考えていた」。直感力が鋭く、ものすごい集中力の持ち主のようだ。
 2001年11月、麻布十番にこの店を開店、オーナーママの夢を実現した。店内の内装費だけで、7億円の投資をした。クラブのコンセプトは「癒しの空間」。高い天井と特注のワインセラーが凄い。70万円のブランデーや100万円もするワインが、この中に鎮座している。50人のホステスを雇っている。

▽日本からお金が消えたわけではない
 「突撃」取材の日はウイークデーの雨の夜だった。「こういう日はさすがに厳しいだろうな」と思って地下鉄に乗って出掛けた。しかし、案に相違して、お店はほぼ満席に近い状態だった。どうしてなんだろう。ホステスの質が高いから。これは一つの要素だ。でも、本質とは違う。
 夜子さんは「不況だからといって、日本からお金が消えたわけではない」と言い切る。疑問を解くカギはここにある。つまり、お金はあるところにある。そして、自分の欲求に合うならば、使うことになんのためらいを持たない、お金を持った人たちがいる、ということなのだ。このお店が、そうしたお金持ちの一つの受け皿になっている。

▽人的ネットワークの源は力強いエネルギー
 ではなぜ、受け皿となっているのか。答えは夜子さんの存在そのものだと思う。この人は自分の「哲学」を持ち、それを自分の言葉で語る。実践に裏付けられているので、信念が揺るがない。なんか安心感というか、頼りがいがある。力強いエネルギーに満ちあふれている。
 夜子さんには政治家から企業経営者、アーチスト、芸能人、スポーツマンに至るまで、4万人の人的ネットワークがあるという。ネットワーク構築力の源泉は、この力強いエネルギーとみて間違いはないだろう。ネットワークにつながることによって、彼女から、元気をもらい、自らの活力アップに役立てているという構造が成立しているようだ。

▽存在は「派手」「派手」だが…
 衣装も含めて存在が「派手」「派手」である。しかし、意外といっては大変、失礼だが、彼女の目は人の本質を一瞬にして見抜く鋭さがある一方で、じっくり観察すると穏やかでかつ澄んでいた。激しく燃え盛る炎も、その芯は黒く澄んでいる。絶対にありえないことだが、私には、炎の芯にはひんやりとした心地よい静的な世界があるように思えてならない。彼女の瞳は、この炎の芯を連想させた。(了)

オーナーママの二条夜子さん
オアシスをイメージした店内、
高い天井には“さそり座”が輝く


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