故郷の下総台地(千葉県) にある実家の畑で、安全で、美味しい完全有機、無農薬野菜をつくりたいと夢見ている。それも現在のような「日曜百姓」といった趣味の類いではなく、「プロの百姓」として。
問題となるのは、つくる腕(生産技術)とつくった野菜の販売(流通)をどうするかだ。流通は野菜づくりをビジネスとして成功させるために不可欠の存在である。 同時に、流通を通じて、こういう人間が、こういう土地で、こんな思いで野菜をつくっていると、消費者に伝えたいと思う。
「からだと地球にやさしい食材・生活用品」の宅配事業を営む「こだま舎」(有限会社 伊藤洋子社長)は、私と同じような考え方をする生産者及び「生産者予備軍」に大きな期待を持たせてくれる。場所は横浜市営地下鉄・港南中央駅を降り、鎌倉街道に出て、大船方面に向かうとすぐに左側に桜道がある。桜道をしばらく歩くと左側に南台小学校が見えてくる。道路を挟んだ真ん前が「こだま舎」だ。
▽住所:横浜市港南区港南6-9-5
▽電話:045-841-1198
▽FAX:045-841-8842
http://www.kodamasha.com/
▽生産者と消費者の響きあう関係づくりに貢献
こだま舎に期待する理由は、同社が「生産者と消費者の響きあう関係づくりに貢献する」ことを設立コンセプトに掲げ、ボランティアではなく、規模は小さいけれども企業として実践しているからだ。「こんな流通業者がいてくれればいいな」。前からそう思っていた。事業の一環として、生産者と消費者が相互の理解と信頼を深めるため、援農等の交流の機会を設けている。
こだま舎は、子ども達に安全な食べ物と環境を、と願う親達が集い、1980年に「こだまの会」としてスタートした。1990年に「協同クラブこだま舎」へ移行、2003年に「有限会社こだま舎」に衣替えした。
サービスの内容から、生産者、消費者双方へきめ細かな配慮が感じられる。生産者とって、ありがたいのは少量の商品を扱ってもらえることだろう。
消費者へのサービスには4種類ある。「こだまくらぶ」は毎週配布の注文表に基づいて、注文する定期配送サービスだ。忙しい共働きの家庭や子育て世代におすすめある。注文方法は、電話・FAX・メール・注文表。「こだま舎号
」は商品カタログから選ぶ。単品から、注文でき、買物が不便な人や、高齢者などに便利。電話・FAX・メールで注文する。「こだまBOX」は期間限定の、おすすめセット。ホームページを見て注文する。
「こだま舎DAY 」は月に1度の店頭販売サービスだ。
▽頑張れ、伊藤社長!
「こだま舎 」の外観は老朽化し、かなりくたびれている。ホームページがきれいにできているのでその落差が凄い。最初に訪れた時、そのまま帰ろうとしたくらいだ。「古い建物であることには間違いなく、また、普段は配送・仕分け場・倉庫ですから、驚く方も多いようです。ホームページでも、その様子をドーンと掲げるには、気がひけ、なんとなく、それなりのところしか、見せていないので、実際にいらっしゃると、ちょっと、びっくりの方もいるかもしれません」と伊藤社長。
でも志は高い。「街のオーガニックな宅配屋さんをめざしたいと思っています。『こだま』には、エコー、響きあうという意味があります。「生産者」「大地」「水」「空気」・・・それをとりまく私たちの日々の暮らしや社会。
いろいろなことに、心響かせ、関心を持っていく、響きあう生活を大切にしていきたい」。頑張れ、伊藤社長
!
(了)
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