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  ウエルカム、「美濃源氏フォーラム」さま ―実戦!分散型市民運動―



少し、話は古くなるが6月末、岐阜からマイクロバスを仕立てて「鎌倉入」りした 「美濃源氏フォーラム」(運営幹事 井澤 康樹氏 事務局 TEL0572-68-3142 FAX0 572-68-3143)の皆さんと一日を共にした。この交流は、「鎌倉学塾」(http://www. tmc-world.co.jp/kamakura/)の中川隆さんから、「せっかくの機会なので、『美濃 源氏フォーラム』の皆さんに鎌倉が、『湧水の里』であることを紹介したい。案内を お願いしたい」という要請があって、実現した。

▽日本再生への時(土岐)の氏神
 鎌倉学塾の中川さんによると、「美濃源氏フォーラム」は、以下のような団体であ る。
「美濃源氏フォーラム」  …「土岐氏絶えなば、足利絶ゆべし……」と語られるほど、足利幕府の中枢を担っ た美濃源氏土岐一族を始めとする武士たちが創り育んだ中世の史・文化を探究し、そ の精神を現代に活かすとともに、子々孫々に伝えていくために1991年に発足しま した。
 年1回のフォーラムを皮切りに、1993年からは年6回の研究講座や史跡探訪ツ アー、史跡掃除などを開催し、1999年からは歴史と文化を活かしたまちづくりシ ンポジウムを展開、2002年12月には一族の旗印である“ききょう”の郷フォー ラム(仮称)を開催し、武士道を起点とした日本再生への時(土岐)の氏神として2 003年を先駆けます。… 

▽座禅と朝食を体験
 一行とは午前7時に建長寺(tel 0467-22-0981 fax 0467-25-6316)で待ち合わせた 。そして建長寺教学部の大西龍彦さんの指導で、座禅と朝食を体験した。大西さんは 座禅の時は「声を立てない」、朝食の時は「音を立てない」の2点を口を酸っぱくし て強調された。
 ここではこの意味には私の能力では、深く触れられない。建長寺では、一般の人向 けに座禅会を開催しているので、自ら座禅体験することをお勧めしたい。一つだけ言 えるのは、座禅を体験することで、たとえわずかの時間であったとしても、慌ただし く自分を失いがちな日常から、距離を置いた時間を持てるのではないかということだ 。
 短い時間ではあったが、大西さんからは「調身」(体を整えること)、「調息」( 呼吸を整えること)、「調心」(精神を集中統一して三昧に入る工夫)という座禅の
基本を分かりやすく教えていただいた。「調心」のポイントは「数息観」(すそくか ん)で、出入りの息を数えることに意識を集中する。動転した時など「深呼吸をしな
さい」といわれるが、「数息観」をマスターするだけでも、大きな意味があるように 思えた。

▽湧水公園を案内
 この後、自噴井戸のある北鎌倉・六国見山下の小坂小学校、 岩瀬の湧水公園の井 戸を実際に上総掘りで掘った元井戸掘り職人若林伝吉さん宅、岩瀬の湧水公園の順で 案内した。若林さんのお宅には当然のことながら、自噴井戸があり、そこには朝、畑 で収穫したトマトやキュウリなどが冷やしてあった。
 湧水公園では、自噴井戸とひょうたん池をつくった「鎌倉市民同窓会」のメンバー が、出迎えてくれた。「美濃源氏フォーラム」、「鎌倉市民同窓会」、「鎌倉学塾」 、「北鎌倉湧水ネットワーク」の4つの市民団体が、一同に会する格好になった。数 年前、北鎌倉―長良川温泉―下呂温泉―飛騨高山を車で旅(走行距離1200キロ)した が、岐阜県の森の深さと水の豊かさに感動した記憶がある。

 

 「美濃源氏フォーラム」からは、おみやげにこの団体のブランドでつくった日本酒 をいただいた。「源氏」と「水」が取り持つ縁で、楽しくもあり意義のある交流がで きた。私はこれからの市民運動の一つの在り方として、「分散型市民運動」という考 え方を提起しているが、この日はこの実践ができたように思えた。

▽「個人の自立」と「ネットワーク」
 「分散型市民運動」について簡単に触れたい。キーワードは「個人の自立」と「 ネットワーク」である。「分散型市民運動」の考え方は、私がお手伝いしている台峯
の緑地保全を目的に発足した「北鎌倉の景観を後世に伝える基金」というトラスト団 体の「みどりのサポーター」が原型だ。
 「みどりのサポーター」は、トラストとは独立した全く別の組織である。何をして もらうかというと「みどりのサポーター」には、自主的な活動で得た利益の一部をト ラストに寄付してもらったり、新たな会員の勧誘やイベントなど日常活動の手助けを してもらう。その代わりに、トラストは自らのネットワークを使い、「みどりのサポ ーター」の活動を紹介したり、相手のイベントの際の手伝いをする。
 つまり、緑地を保全するために、横並びの緩やかなパートナーシップを結ぼうとい うのもので、トラストが上、下に「みどりのサポーター」という位置付けではない。
自らの活動の中心は、本来の目的遂行のため使い、余力をトラストに振り向けてもら おうというわけだ。流れる精神は「Win Win」。現在、「北鎌倉の景観を後世に伝え る基金」は7つのグループに「みどりのサポーター」に参加してもらっている。
 
▽「集中管理」から「分散管理」へ
 「分散型市民運動」の考え方は、大型コンピューターの「集中管理」からインター ネットによる「分散管理」へと移行した時代の流れにヒントを得た。大型コンピュー
ターの時代は、政党や労働組合などに代表される大きな組織が情報、ノウハウ、人材 などを一手に抱え込み、市民運動を集中管理していたのではないか。
 これに対し、インターネットの時代は、自立した個人の参加する自立した小さな市 民組織が、それぞれの特徴を生かして、ネットワークを組む。これにボランティアに
理解のあるプロが、その役割を積極的に提供する。そうなると政党や労働組合に依存 しなくても、市民が主役の本物の市民運動が展開できるのではないかと考えた。
 この日の「美濃源氏フォーラム」との交流を踏まえ、今後、「分散型市民運動」の 新たな実験に挑戦してみたい。    (了)

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