2005
vol19

 私の居場所は「生涯一記者」―11・26船橋講演から―

 
パワーポイントを使って講演   熱心に講演に耳を傾ける参加者

11月26日、千葉県船橋市の高根台公民館で「団塊の世代よ、帰りなん、いざ故郷へ!」という演題で講演した。この日の講演会は、船橋市の中部地区にある公民館が「2007年問題」を念頭に、団塊世代が家庭や地域に入りやすくなる「きっかけつくり」を提供するために共同で企画した。企画のタイトルは「団塊の世代へのメッセージ―これからも青春!ガキ大将集まれ―」。

▽ メディアの世界で培ってきたノウハウを故郷の再生のために捧げたい
 土曜日の夜にもかかわらず、足を運んでいただいた皆さんに、私のメッセージが明確に伝わるように、講演ではパワーポイント、北鎌倉湧水ネットワークのHPとブログ、歌手・盧佳世さんのファーストアルバム「マウム(こころ)」(http://kitakamayu.exblog.jp/m2005-11-01/#3129359)、詩集「レヴィンの系譜」(http://www.kitakama-yusui.net/9/dengon11.html)を組み合わせて、北鎌倉湧水ネットワークの活動や団塊サミットの狙いなどを説明した。

 講演は「私の居場所、つまり自分の根っ子、自分が本当にやりたいことは『生涯一記者』。私の『帰りなん、いざ故郷へ!』の意味は、30年間メディアの世界で培ってきたそのノウハウを故郷の再生のために捧げることであり、具体的には詩集『レヴィンの系譜』を故郷・東庄町の『文化財』にすること」という言葉で締めくくった。
*伝説の始まり
http://www.salaryman-style.com/kodawari/genhukei.html

▽地域デビューを気楽でハッピーなものにしてくれた!
 講演後参加者から「船橋市でボランティアをしています。いろいろヒントをもらいました。さっそく、実践してみます」とか「多岐に渡りすぎる活動を、やっと体系的に理解できた感じですっきりしました。パワポほか、もろもろ組み合わせたのは聴衆をひきつけるのによかったと思います。『厳しい顔してやっているボランティアが多いなか、北鎌倉湧水ネットワークは楽しんでやっている』。この話、特にツボにはまりました。「がんばらねば」という悲壮感のようなものを食い止め、地域デビューを気楽でハッピーなものにしてくれます。ぜひいろんな地域で話を伝えていって欲しいです」というありがいたいコメントいただいた。今後の励みとしたい。

【講演レジュメ】
■地域へ溶け込む心構え
・地域へは肩書きなしの人間で入る。男性は肩書きにこだわる傾向がある。
・それぞれの世界では違った常識があり「常識摩擦」が生じることと、説明しても説明したことにならない「バカの壁」の存在を認める。
・人間は自らを過大評価しがちであることを考慮、「ギブ&テイク」ではなく「ギブ&ギブ」を心がける。
・本来の居場所探しのために、自分の原点を再点検する(蓄積したノウハウは必ず生きる)。
・ネットワーク作りや情報発信のツールとしてインターネットを積極的に活用する

■緊急課題(高度経済成長・核家族化・コミュニティ崩壊のツケ)
・親の介護への対応
・都会の「過密」と「孤独」の解消
■北鎌倉湧水ネットワーク・プロフィール
【代表】野口 稔(ジャーナリスト)
【設立】2000年10月1日
【目的】自然環境保全と街づくりのための活動をします。地域に根ざした情報提供にも取り組みます。
【組織】任意のNPO組織です。コンセプトは「分散型市民運動」。小さくて、機動力のある組織を基本とします。コアメンバーは5人。ネットワーク時代の到来を踏まえ、インターネット及び人的ネットワークをフル活用し、志を同じくする個人や団体と事業ごとにパートナーシップを結び、得意技を相互融通することで、それぞれの目標を達成しようと考えています。

■北鎌倉湧水ネットワークのプロジェクト一覧
(1)北鎌倉の恵みプロジェクト 北鎌倉湧水ネットワークは、北鎌倉・岩瀬の湧水を使った地ビール「北鎌倉の恵み」の誕生に、企画を中心に、ボランティアで、さまざまな協力をしました。理由は、売上の3%(5%)をナショナル・トラスト運動や街づくり運動に取り組んでいる市民団体に寄付するという「北鎌倉の恵み」のコンセプトが、ゆうネットの設立目的に合致するからです。「北鎌倉の恵み」のリーフレットは、ゆうネットの総合プロデュースによって生まれました。

(2)第1回団塊サミット開催
 地域活動を通じて学んだことは、組織で長年培ってきたノウハウは、組織を離れた「場」でも必要とされているということです。ノウハウを生かすことは、自分自身の本来の「居場所探し」にもつながります。このことを2007年から大量退職が始まる、団塊世代が集まり、一緒に考えてみようという発想で、開催を提起しました。第2回目は岐阜で開催。第3回は丹沢を予定。

(3)地域情報発信 
 インターネットを積極的に活用し、マスコミが報道してくれない地域に有用な情報を積極的に発信しています。例えば「速報!台峯緑地、全面保全で決着 −鎌倉市が総額60億円で買収−」「スクープ!野村不動産、台峯の宅地開発を断念−緑地は中央公園の拡大地として保全へ−」など。
インターネットは個人が初めて、安価でかつ早くマスに情報発信することができるツールです。ホームページだけでなく、ブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など新たなツールが出現しています。
 一方で、活字媒体も大切にしています。広報担当理事をしていたNPO法人では機関誌「北鎌倉の風」を発行。著書に「北鎌倉発 ナショナル・トラストの風 分散型市民運動の時代がやってきた!」「団塊世代よ、帰りなん、いざ故郷へ! セカンドライフの一つの選択肢」があります。

もどる